野生の日本メダカ(黒メダカ)は何タイプいるのでしょうか?
実は日本にいるメダカは1種類だけかと思っていました。でも先日、東京ズーネットでメダカの記事を読んでいたら、「日本のメダカは何タイプにも分けることができる」と書いてありました。
日本のメダカは生息地域によって異なる種類がすんでいるのでしょうか?
それとも種類は1種類だけで、その種類の中で細かく異なるタイプに分けることができる、ということでしょうか。どのような違いなのか、今ひとつ、よくわからないので、サイトを探し回ってまとめてみることにしました。
最後には日本メダカの秘密も書いたので、最後までよろしくお願いします。
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日本メダカのタイプ
大きく分けると2タイプですが、さらに細かく分けられていることがわかりました。
日本にすむメダカ(Oryziaslatipes)は、大きく分けると北日(Oryzias latipes subsp.)と南日本集団(Oryzias latipeslatipes)の2タイプに分けられています。
そして、さらに日本にすむメダカ(北日本集団と南日本集団)を分けると、およそ15のグループに細かく分けることができます。
ただし、15に分けられた1つのグループの中でも、生息場所が異なれば、その地域独自の遺伝情報を持つ、さらに小さなグループに分けることができます。
現在のところ、わが国のメダカは1種類(2亜種)とされていますが、北日本集団と南日本集団のメダカをそれぞれ独立した種として分類すべきだ、という研究者もいるようです。
日本メダカのDNAで分かったこと
調べるうちに、日本メダカには2つのタイプがいることがDNAを調べることで分かりました。
今まで“メダカ”と呼ばれていた魚は2種に分けられ、「南日本集団」はミナミメダカ(学名Oryzias latipes) 、「北日本集団」はキタノメダカ(学名Oryzias sakaizumii)と呼ばれています。
神奈川県立生命の星・地球博物館より(瀬能 宏撮影)
この2種には次のような外見上の違いが見られます。
キタノメダカ
① 体の後半部に濃い網目模様がある
② オスの背びれの切れ込みが浅い
ミナミメダカ
① 体の後半部の網目模様がない
② オスの背びれの切れ込みが深い
日本にメダカはもういないのか?
実は2013年にメダカという和名が破棄され、ミナミメダカとキタノメダカの標準和名が提唱されました。
日本メダカという和名は実はもうないんですよね。一応両種は日本固有種と考えられ、ハイブリッド集団は形態的な特徴からキタノメダカ、関東地方の一部に残存するC群はミナミメダカとされました。
分布は一見単純な様で複雑です。というのも、最近の研究でDNAを調べることにより、観賞用に大量に養殖されているヒメダカ(メダカの黄体色変異品種)とメダカが交雑してしまっていることも確認できるようになりました。
信濃川水系は上流域(千曲川水系)にミナミメダカ、下流域にキタノメダカ、。阿武隈川水系は上流域にキタノメダカ、下流域にミナミメダカ。由良川水系は中流域で両種が同所的に分布はしていますが、極論を言うともっと複雑に分けられることが考えられます。
形態的には先ほどの写真のような違いが、キタノメダカにありますが、 実は例外が非常に多く、黒色網目模様や黒色染み状斑紋のないキタノメダカ、 雄背鰭の欠刻が浅いミナミメダカは、希ではない頻度で出現します。
形態的な違いは、非常に曖昧で使い難い状態にあるのが現実です。
それ以外の特徴として、尾鰭基底の黒色斑紋の違いを、簡易同定として日本淡水魚類愛護会は提唱します。
ミナミメダカは尾鰭基底にゼリービーンズ状の黒色斑紋が2つあり、 キタノメダカは前方の曲線がなくて弓状に見えます。 この特徴は雌雄で共通です。但し、傾向的な特徴なため、希に例外は出現するという事なので、大体の分類には使えるという話です。
はっきり調べたいならDNAを調べるのが一番早いですが、そこまでするのは研究者の方しかいないですね。(笑)
ちなみに今のDNAを調べる技術というのは進歩していて、メダカの尾びれのほんの一部を切り取るだけなので、メダカを生かしたままでも調べることができるそうです。
技術の進歩ってすごいですね。
日本メダカは日本にいなかった?
実際のところ日本メダカと呼ばれるメダカは正式には和名としては存在しないようです。
正確にはミナミメダカとキタノメダカの2種類でさらに地域でDNAを調べるともっと違うので、際限なくありそうです。
その地域地域でメダカはいるのですが、すでに絶滅危惧種に入っているメダカですから、改良品種のメダカやペットショップで購入したメダカを容易に放流してしまう事は、そこにいる固有のメダカを全滅させることになるので、絶対やめましょうね。
メダカもそうですが、生き物は飼うと決めたら最後までしっかり世話をしましょう。
という事でまた!